「膝関節の理学療法」Q&A

「膝関節の理学療法」にご参加いただいた皆さまからの質問にお答えします!

Question8 

Screw Home Movementの阻害による膝関節伸展制限の因子としての、半腱/半膜様筋や薄筋などの要素に関する件です。

 

内反膝OAの方で、膝関節伸展位の段階で膝蓋骨正中に対し脛骨粗面が大きく外側にある既に脛骨が過外旋しており、かつ膝関節伸展制限を有する方も少なくないと感じています。 

膝屈曲しても脛骨内旋は乏しく、伸展すると過外旋の位置に戻ってしまう。こうした場合、膝伸展制限の解決策として、Screw Home Movementを促すとは違うアルゴリズムで考える必要があると思っているのですが、この時の膝の構造体の相互関係が分からず、伸展制限の治療のターゲットを絞れずにいます。

 

 

こうした変形性膝関節症をお持ちの方に対して、膝のバイオメカニクスのどの点を正常化すれば宜しいでしょうか。アドバイスを頂ければ幸いです。

 

Answer

おーーーこれは答えるのが難しい質問ですね。

 

まず!本当にOAの患者さんの膝関節が外旋しているかは、よくよく見ないと分からないですね。たしかに下腿は外旋しちゃってますよね。でも、大腿がそれよりも大きく外旋していると、膝は内旋位になります。

下腿は外旋してるんだけど、膝が内旋位になっている患者さんは多いですよ。さらに、この事を見えにくくするのが下腿が前外側に倒れちゃっているので、余計に外旋して見える。

 

もちろん膝が内反外旋位になっている患者さんも沢山居ます。でも、じゃーとんでもなく外旋してるかというと、大腿がその分外旋してるので、膝の外旋角度自体は、すごく外旋位になっている感じではない。。。なんてことも良くあります。

 

で、ちょっと、難しいので、こう考えてください。

 

まず、膝を90度屈曲位にして、膝蓋骨の真下に脛骨粗面を位置させるように回旋中間位にする。さらに内外反も中間位にする。で、そこから膝を伸ばしながら、最後に10度程度の外旋を誘導する。

 

中間位にしてから、正常な範囲の外旋を誘導するという感じでアプローチすれば、その患者さんがもともと外旋位なのか、内旋位なのかは、あまり考えなくても済みますよね。