「股関節の理学療法」Q&A

「股関節の理学療法」にご参加いただいた皆さまからの質問にお答えします!

Question1 

腸腰筋についてです。座位での骨盤前傾運動は、主に腸腰筋の収縮にて行っていると思い、腸腰筋がターゲットになるトレーニングだと考えていました。しかし、今回の講義の中で、座位で骨盤を前傾する際、大腿骨頸部の前捻により、上方を向いた骨頭を、大殿筋上部繊維の収縮にて下方に向かせることで、骨盤の回転が促せるということを知り、この時、腸腰筋はどの程度関与しているのか?疑問に思いました。大殿筋上部繊維によって、大腿骨が内旋し、運動連鎖で骨盤が前傾するのであれば、腸腰筋はさほど活動していないということでしょうか?

Question2 

「股関節外転運動による回転軸の再形成」の中で骨頭を把持して操作する場面があったのですが、慢性疾患を有する術後の患者様では、術後1~2週経過しても創部痛を訴え、遷延している印象があります。創部痛を訴える方でも実施した方が良いのでしょうか?

Question3 

お話の中で大腿方形筋に対し痛みが出る人がいるというお話がありましたが、どのような人がそこに痛みが出やすいのかを教えていただきたいです。

Question4 

骨盤底筋群のお話のところで人工関節の方でインナーが効かない方に対し縦のラインの強化、恥骨と尾骨を引き寄せるように動かすというお話がありましたが実際のアプローチはどのように行うのでしょうか。

Question5 

腰椎安定化筋群の中に腹横筋が入っていますがどのように他二つの筋と関与してくるのでしょうか。

Question6 

股関節外転運動による回転軸の再形成の際、足部を外反位にすることでなぜ股関節の安定性向上につながるのでしょうか。

Question7 

股関節の前方関節唇損傷について質問があります。 患者さんがどこにどのような痛みを訴えた場合、関節唇損傷を疑えばいいんでしょうか?またその痛みは股関節屈曲伸展のどのタイミングで強いんでしょうか?最終域のみで起きるものなんですか?

Question8 

講習会を受講してからトレンデレンブルグ歩行について調べてました。そこで若年健常者を対象に上殿神経ブロックで股関節外転筋力を落としても、骨盤の沈下は起きなかったという報告を見つけました。

トレンデレンブルグ=中殿筋の筋力、というのはあまりなくて、下肢のアライメントや大殿筋上部線維が主な原因になるのかな、と解釈したんですが、石井先生はどのようにお考えでしょうか?

Question9 

骨盤をコントロールする上で、多裂筋と腸腰筋の機能が重要な事は理解しました。

大腿骨転子部骨折術後の患者様で、小転子が飛んでしまい、腸腰筋の機能が使えない症例について質問です。この場合、腸腰筋が効かず、立脚後期が出ない、体幹のコントロールが上手く出せないといった問題が生じます。こういったケースでは、どのように考えていくべきでしょうか。アプローチや考え方をご教示頂ければ幸いです。

Question10 

大腿骨頭置換術後の患者様で当院では外旋筋群を切離してしまうのですが、そうすると骨頭安定化させる機構が失われてしまうと思います。その場合は骨盤前傾位で対側性運動連鎖を行いカップにハマりやすくなるような位置が重要かと思います。筋の動的安定として、小殿筋に着目されてる方もいるのですが、小殿筋は骨頭安定化させる筋となりうるのでしょうか?