「膝関節の理学療法」Q&A

「膝関節の理学療法」にご参加いただいた皆さまからの質問にお答えします!

Question2 

以前、受けた講義で、OKCCKCで、荷重している、していないは関係ない。四角形の話をされていたと思います。 

本日の、講義でもOKCCKCの話が有りましたが、スクワットなどCKCやフォアランジなど台を使用せず行っている場面が有りましたが、これもCKCと考えていいでしょうか?

ちょっと概念がこんがらがりました。

次回の、配信の際に御教授頂ければ幸いです。

 

Answer

あーーーすみません。混同させちゃいましたね。

ご指摘の通り、CKCは荷重しているかどうかで定義されるのではなく、系の先端が開いているか閉じているかどうかできまってきます。講義の中で、OKC、CKCという用語を荷重位、非荷重位という意味で使っちゃってました。

 

機械工学的概念に基づく運動連鎖の基本原則は、リンクの末端が自由な状態にある開放性運動連鎖(OKC)と、両側の末端の運動が拘束された閉鎖性運動連鎖(CKC)とでは、取り出される運動の振る舞いが異なることを示す概念です。この概念ではスクワットはOKC、フォワードランジは左右両下肢の間で回路を閉鎖できるのでCKCになりますね。もちろんスクワットも左右の下肢が地面に固定されているから、前額面から見たら左右の下肢はCKCになるけど、両側が同じ運動になるし、矢状面の運動の方がスクワット動作には重要になるので、矢状面の運動を見た場合には、OKCと考えた方が良いですね。OKCモデルに相当し、個々の体節の運動は自由度が高く、様々な運動の組み合わせが可能になるため、代償動作を誘発しやすいのが難点です。

 

一方、CKCモデルでは系の末端が拘束されているため、ある体節が運動した場合に、その他の体節が取り得る運動は自動的に決まってくる。したがって、CKCモデルでは、個々の体節の運動を直接制御しなくても、ある体節の運動だけを制御すれば、他の体節の運動も自動的に制御することが可能となります。この特性をトレーニングに応用して、代償運動が起きる自由度を制限することが可能となります。

 

スクワットも、重心の移動する軌道を完全に拘束しちゃえばCKCにすることも可能です。