受付中の講習会

排泄障害に対するリハビリシリーズ



【概要】

 生理的欲求である排便が障害されると、生活の質(QOL)は著しく低下します。国民生活基礎調査によると、80歳以上の約10%は慢性便秘で悩んでおり、便失禁診療ガイドラインでは、本邦における65歳以上の便失禁の有症率は男性8.7%、女性6.6%とされています。つまり、高齢者は便秘や便失禁により生活に支障をきたしていることが考えられます。

 排便障害は食事や運動(活動)を含めた生活習慣の影響が大きく、一つの治療手技で改善することはほとんどありません。大切なことは、まずどのようにして便が作られ、快適に排便を行うために必要な解剖生理を理解して欲しいと考えています。便秘や便失禁の原因を追究出来るようになることで、排便障害に対処する方法を食事や生活習慣、運動機能から必要なアプローチをできるようになって欲しいと考えています。そうすることで、ケアプランの見直しが必要かもしれませんし、日常生活の中で必要な活動が見つかるかもしれません。もしくは、精神的な問題を抱えているのが原因かもしれません。

 本セミナーが排便障害改善の一助となれば幸いです。



【概要】

 我が国は高齢化率が28.4%の超高齢化社会である(内閣府,令和2年度高齢者社会白書)。「健康寿命」とは自立した生活を送れる期間をさすが,平均寿命と健康寿命の差は,2016年において男性8.84年,女性12.35年であり,男女ともに10年間前後不健康な状態を抱えながら人生を送っていることになる。内閣府大臣官房政府広報室が2013年に発表した世論調査によると,「高齢者の介護で苦労したことは何ですか?」の1位は排泄(62.5%)であった。また,重症入院患者の68.9%が「便失禁・尿失禁は死ぬことと同等,あるいは死ぬことよりも辛い」と答えたとの報告もある(Emily B. Rubin,et al. 2016)。筆者の外来に来る排泄に問題を抱えた患者さんも例外ではなく,誰もが「最後までオシモの世話だけにはなりたくない!」と訴える。

 「リハビリテーションとは全人間的復権」と40年以上前に提唱したのは上田敏先生であるが,この全人間的復権の根底にあると言っても過言ではない排泄問題が,理学療法士・作業療法士(以下セラピスト)界で取り上げられる機会はなぜか少ない。セラピストは手足は診るのに排泄のことは看護師や介護士に丸投げ,そんな現状はないだろうか。例えば,尿道カテーテルの留置がせん妄を悪化させることや,これによる尿路感染症は重症化して生命予後に関係することがわかっている。そのため,早期離床は重要であり,ここに関わるのはセラピストである。また,尿失禁や頻尿があると外出がおっくうになり活動性が低下,夜間頻尿や尿意切迫感は転倒による骨折の要因にもなる。排泄機能の問題は生活の質を著しく低下させ,「QOL疾患」と呼ばれるほどである。

 2016年度診療報酬改定時に「排尿自立指導料」が新設され,2020年度からは「排尿自立支援加算」「外来排尿自立指導料」へと変更された。それまでは急性期に限られていたが,「回復期リハビリテーション病棟入院料」,「地域包括ケア病棟入院料」での算定も可能となった。この排尿ケアチームの一員として理学療法士,作業療法士の参入も明記されており,ここにセラピストが積極的に加わるためには,セラピストが得意とする排尿関連動作に必要な身体機能,動作能力,環境調整などについて分析するだけではなく,多職種と連携するために必要な排泄に関わる共通用語や下部尿路症状の病態や症状などの知識をある程度は持ち合わせる必要がある。

 今回,第一回目は基礎編として排尿に関わる基本的知識,下部尿路症状の病態と疾患,排尿のアセスメント,尿道留置カテーテル・排泄用具の知識,排尿自立支援,骨盤底の解剖など,第二回目は応用編として下部尿路症状に対する理学療法(骨盤底リハビリテーション),行動療法,ケース紹介等を行う予定である。みなさんが普段の臨床現場で抱えている排尿問題の解決に一歩でも近づけるように質疑応答の時間もたっぷり取らせて頂き,私たちにできることを一緒に考えていきたい。



【概要】

 排便という行為は年齢・性別を問わず人間の生活の中で生命維持のために極めて重要な行 為である。

 肛門領域に対する理学療法士のアプローチについては、昨今のメンズヘルス・ウィメンズヘ ルスの分野で骨盤底への理学療法介入という形で注目されてきている。こうした中で、当院 では肛門領域に関しては肛門外科・肛門内科において医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、 診療放射線技師などに加えて理学療法士も参加し、他職種連携によるアプローチを実施し ている。

 理学療法士の介入する内容としては、排便障害(主として便失禁)に対する体幹・骨盤底機 能の改善(術前の理学療法介入も含む)と肛門周囲への痛みに対するアプローチである。これらを基に講義では、当院でのチームアプローチを紹介するとともに理学療法士の介入の 目的・評価・治療について説明し、同時に今後期待されるこの領域への理学療法士の介入に ついても若干の意見を提示する。


今後のスケジュールも調整中です。  coming soon...